これだけ科学が進んでも、ガリが出ないアナログボリュームは発明されませんね。
デジタルボリュームがあるものの、アナログ回路、特にヘッドアンプやフェーダーについては未だにカーボンやコンダクティブプラスチックが使われています。
宿敵「ガリ」をやっつけるにはどうしたらいいのか?一般的な解決方法とおすすめのアイテムを紹介します。
一般的な解決方法
いろいろな解決方法について、メリット・デメリットをまとめていきます。
回す
ガリが出る部分を50〜100回程度、ひたすらグリグリする。
メリット
- 一番手間がかからない
- 案外これで治ることがある。
デメリット
- 時間が経つと元に戻る
- かなりの確率で治らない
洗う
完全に分解して、蒸留水と中性洗剤で洗浄。自然乾燥させてフェーダーオイルを塗布する。
メリット
最も効果的で確実な方法。完全に分解するため埃や古いオイルが一切残らない。
デメリット
- かなり面倒。リストアでもない限りやらない。定期的なメンテナンスならなおのこと。
- 分解できないパーツだとこの方法では無理。
エタノール洗浄
- 薬局などで売っている無水エタノールをスポイトなどでパーツに染み込ませる→出てきた汚れを拭き取る。
- 分解できるのであれば綿棒などに染み込ませて表面を優しく拭く。
- 洗浄が終わったらフェーダーオイルを注入・塗布する。
メリット
- ヤニや古いオイル、ホコリなどをある程度分解できる。
- 揮発性が高くすぐに蒸発してしまうのでパーツへのダメージが少ない。
- エタノールはボリュームの洗浄だけでなくいろいろと使い回しがきく。
無水エタノールはちょっと高いですが、一本買っておいたら長く使えますので、常備しておくことをオススメします。いろんな機器のクリーニングに使えますよ。
デメリット
- 完全に分解できるパーツであれば効果が高いが、染み込ませて使う場合は表面にホコリが残ってしまう。
- 固まってしまった油や皮膜が残るので洗浄力が高いとは言えず、症状が解決しないことが結構ある。
接点復活剤
ガリが出る部分に接点復活剤をスプレーする。
メリット
- 手軽にできる
- 効き目が強く、一発で治る。
- 接点復活剤がオイルの役割をするので、別途フェーダーオイルを塗布する必要がない。
デメリット
- 接点復活剤の中には有機溶剤を使用しているものがあり、プラスチックを溶かしてしまうおそれがある。(リンクとして貼っている上記の商品はプラスチックOKの記載があります)
- 薬剤が残り、それ自体がガリの原因になることがある。
- 結果として、一瞬復活するが、しばらくしてまた元に戻ったり、ひどい時には機材の息の根が止まる。
などなど、いろいろな方法がありますが、どれも一長一短です。
オススメの洗浄方法
ボリューム・フェーダーの接点洗浄で私がオススメするのが、CAIG ( ケイグ ) / F100L-L25Cという商品。
CAIG ( ケイグ ) / F100L-L25Cは、フェーダーオイルでありながら、それ自体が洗浄機能をもっています。 しかも接点復活剤のようにパーツにダメージを与えないため、安心して使うことができます。 ちょっと値は張りますが長持ちしますし、これ一本で済むので楽ですよ。
使い方
パーツの隙間から注入して、均等にいき渡るように何度か動かすだけ。(差しすぎには注意!)
ノズルが細いので小さなパーツでもきちんと注入できます。
まとめ
私は今までエタノールで頑張っていましたが、ちゃんと治りきらないことが多かったです。かといって接点復活剤は怖くてあまり使いたくないのでどうしようかと考えたときにこの製品を見つけました。
100パーセントとは言えませんが、今まで治せなかったガリがかなりの確率で消えるようになりました。しかも差すだけの簡単作業なのでとても楽です。
おひとついかがでしょうか?