マイクの種類と選び方

動画配信などで個人でも持っている方が増えたマイクですが、1000〜5000円程度の安価なマイクを使っている方が多い印象を受けます。最初は安いもので済ませるという考えでしたらそれもありだと思います。
ですがやはり良いマイクは扱いやすく、音も良いです。慣れてきたらきちんとしたマイクを購入するべきだと私は思います。

この記事ではマイクを選ぶためのポイントをまとめてみました。

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音について

なんといっても音質は非常に重要です。マイクの音はネットで動画を検索して聞いてみるのが最も手軽な手段です。

購入する前に、気になるマイクの音を簡単に確認する方法
気になるマイクがあるけれど、買う前に音を聞いて確認してみたい。動画を検索してみたけどいまいちパッとする動画が見つからないなんてことがありませんか?。こんなとき簡単に、気になるマイクの音を調べることができる方法をご紹介します。

サウンドハウスというネットショップでは、実際にそのマイクで収録した音源を掲載してくださっています。こちらもぜひ参考にしてみてください。

サウンドハウス

1つ注意点ですが、「比較するときは必ず音量を同じにする」ことを徹底しましょう!

人は音量が大きいと、音質がいいと錯覚してしまいます。J-Popの音源は、音量を限界まで上げて音が良さそうに見せかけるという手法を何十年も前からやっています。同じように騙されないようにしましょう。

楽器店などで置いてあるものがあれば、視聴させてもらっても良いでしょう。

レビューにとらわれずに、自分の好きな音を探してみてください!

マイクの種類について

ひとくちにマイクといっても、その種類は様々。用途によって向き不向きがあるので、形状と駆動方式の違いは覚えておきましょう。

駆動方式

マイクは駆動方法から2種類に分けられます。

ダイナミックマイク

振動板が振動→磁界の中をコイルが動く→音が電気信号になるという単純な仕組みのマイクです。身の回りにあるスピーカーと同じ方式です。

コイルが動くことから、ダイナミックマイクはムービングコイル方式と呼ばれることがあります。

ちなみに画像のマイクは、私イチオシのボーカルマイクでTELEFUNKEN(テレフンケン) M80といいます。

テレフンケンM80の音を検証!シュアーのSM58と何が違う?
コンデンサマイク並みに音がいいとネットでも評判のTelefunken(テレフンケン)のボーカルマイクM80。わたしも愛用しているこのマイクを使って実際に録音。SM58と比較して音の違いを紹介しています。また、使用していて気づいたちょっと気になる点も紹介しています。

コンデンサマイク

フィルム状のコンデンサに電圧をかけておき、フィルムが振動すると中の電荷が変化することで音声を信号に変換する、ちょっと仕組みが複雑なマイクです。ダイアフラムに電圧をかけるため、ファンタム電源が必要になります。ファンタムが必要ないものもあり、こちらはエレクトレットコンデンサと呼ばれます。

ダイナミックマイクより耐久性がないので、あまりラフに扱うことはできません。

この他リボンマイクと呼ばれる方式があります。古くからある方式のマイクで、自然な聞き心地から再評価されるようになりました。

リボンマイク技術解説 「ナチュラルな音質の秘密」 | アンブレラカンパニー | BUZZ
リボンマイクとは? コンデンサマイクは音を、振動板を押す力(または引く力)、圧力=音圧として検出します。振動板にかかる音圧が動かした振動板の位置情報の連続データを音声信号として取り出します。

ダイナミックとコンデンサの違い

⑴集音特性

  • ダイナミックマイク・リボンマイクは距離の2乗に比例して小さくなる
  • コンデンサは距離に比例して小さくなる

つまりダイナミックマイクよりコンデンサマイクの方が遠くの音を集音できます。このため、空調や車の音などが入りやすくなるので、防音できていない部屋には適していません。
⑵音色・周波数特性について
一概には言えませんが、コンデンサマイクの方が高域特性は有利です。ギターやシンバルなどの高域成分を含む楽器の録音では音に差が出てきます。
低域は振動板の重さの違いから、コンデンサは立ち上がりの鋭い音、ダイナミックはコンプレッサーでアタック成分が除かれたような音になります。
どちらが良いということはないので、使用するシチュエーションに合わせて選ぶことになります。

ダイアフラムの大きさ

ラージダイアフラム

  • 低域の再現性が良い
  • 20kHz以上の超高域までは集音できない
  • 大型化しやすい

スモールダイアフラム

  • 低域のダイナミクスが少なく、詰まったような音になる
  • 物によって超高域まで集音できるモデルもある
  • 小型化しやすい

これもまた楽器の特性や使用状況に合わせて選ぶことになります。

指向性

指向性とは集音出来る角度のことです。指向性については以下のサイトが分かりやすいです。

マイクロホンを識る|マイクロホンナビ|マイクロホン|オーディオテクニカ
【オーディオテクニカのマイクロホンナビ】マイクの構造と種類、マイクに備わる性格のひとつ「指向性」。マイクロホンに関する基本的な事柄をわかりやすく説明します。

無指向性

指向性がない、つまり全方向の音を拾うことが出来るマイクです。録音や、チューニングの行き届いたPA向きで、環境音が多い部屋や調整が不十分なPAには向きません。

単一指向性

集音できる角度がマイクの前面だけになるように調整されたマイクのことをいいます。ボーカルマイクやPAに使うマイクの多くは単一指向性です。便利な一方で近接効果(マイクとの距離が近いと低域がブーストされる現象)が起こることを意識する必要があります。

超指向性

指向角度がさらに鋭い単一指向性のことです。近接効果も通常の単一指向性のマイクより強いです。

その他ちょっと特殊なものとして双指向性があります。リボンマイクに多い方式で、指向性が前後に伸びているためこういう風に呼ばれます。

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周波数特性

マイクの周波数特性はメーカーサイトの仕様を確認しましょう

フラットな特性のものもあれば、機種によってはあえて特性をフラットにしないで特定の楽器に特化させているモデルがあります。

例えば以下のような感じです

  • 10khz付近がブーストされている→シンバルの使用を想定している
  • 2〜5kHzがブーストされていて、低域が早めに(150hzあたりから)ロールオフしている→近接効果が発生するボーカルの使用を想定している

はじめの一本はフラットな特性のマイクがいろいろ使えて便利ですが、2本目以降はキャラクターの違うものを何種類かもっておくと、選択肢が増えて便利です。

感度

見落としがちなのがこのパラメータ。気をつけたいのは、高ければよい訳ではないということ。

  • 音量が大きいもの(楽器・ボーカルなど)→感度の低いマイクを選ぶ
  • 普通の人の会話やアコースティック楽器の録音→感度が高いマイクを選ぶ

ボーカルマイクとして有名なSM58というマイクがありますが、最近イベントや記者会見時にトークマイクとして見かけることが多くなりました。

でも実は、感度が56dBと高くないので、あまり声を張らないトークなどには向いていません。普通の大きさの声を拾うのが主な用途であればもっと感度の高いマイクを選ぶと良いでしょう。

逆に、音の大きな楽器の場合は感度の低いマイクにしないと耐圧オーバーになります。

形状

ハンドヘルド

よく見かけるタイプのマイクです(この形状はSM58が元祖です)持ちやすい形状で、ボーカルマイクに限らず広く採用されている形です。最初に持つのであればこのタイプが一番無難でしょう。

ラージダイアフラム

ダイアフラムが大きいため、このような形状になります。コントラバスなどの低域メインのソースや録音全般に向いています。

ペンシルタイプ

名前の通り、筒状になっています。シンバルマイクに多い形です。やや低域を切りつつ集音したい時向け。

タイピンマイク

ピンマイクとも言います。マイクを目立たせたくないときや、両手を使いたいとき向け。よく似たものにラベリアマイクがあります。ピンマイクと比較してダイアフラムがすこしだけ大きいです。

ハンドヘルドマイクの最低条件

ほとんどの方が最初に手にするのはハンドヘルドタイプのダイナミックマイクでしょう。何にでも使えて扱いも楽ですから。

ということで、ハンドヘルドマイクを買うときのポイントを書いておきます。特に安いものでは以下のような問題が起きて、音質以前に使い物にならないことがありますので注意してください。

ハンドリングノイズが少ないこと

  • 廉価なマイクはグリルが軽くてチープで、ボディがガサガサしていることが多いです。
  • グリルの質が良くないと、グリルが何かに当たったときに不快な音がします。触った感じがしっかりとした金属質のものが望ましいです。
  • また、ボディの塗装がガサガサしていると、持ち替えた時にその音が入ってしまうこともあります。手に持った時にしっとりフィットするようなものが良いでしょう。

重すぎず、軽すぎない

使われるShureのSM58が330gです。これを基準に考えましょう。

  • 250g以下は軽すぎて、ハンドリングノイズが増えるおそれがあります。
  • 350g以上になるとマイクを持ってパフォーマンスする人にとってはちょっと重たいかもしれません。

ショックが乗らない

演者にオンオフさせるためにスイッチ付きのマイクを購入される場合もあると思います。安価なマイクは切り替え時に「ボッ」と音がしてしまいます。店頭で確認してショックが少ないものを選びましょう。

以上の点が最低条件です。

まとめ

使用用途に応じて最適なマイクを選ぶようにしましょう。高いものを買っておけば正解ということはまずありません

最初に持つのであればダイナミックのハンドヘルドタイプのものを1万円台から選ぶのが無難かと思います。

SHURE ( シュアー ) / SM58 定番ダイナミックマイク

「ゴッパー」の相性でおなじみのハンドヘルドボーカルマイク。初めての一本に!サウンドハウスについては解説記事をご覧ください。

慣れてきたらタイプの違いから、用途にあったものを選んでみましょう。
最近「〜用マイク」とか「〜向き」という文言を見かけますが、別にそれ以外に使ってはいけないわけではありません。使ってみていい音がするのであれば、どんなマイクでも大丈夫です。