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前回は打ち込みのドラムとベースをApollo Twinでブラッシュアップしてみました。
今回はApollo Twinの付属のマイク入力で、アコースティックギターを収録→サウンドメイクしてみます。
Apollo Twinのマイクプリについて
使ってみて思うのは、とても質がいいです。
ゲインが+65dBまであって、最近のオーディオインターフェイスについているマイクプリとしてはかなりハイゲイン。
サンプルを聴いて貰えばわかると思いますが、S/Nも良く、Maxにして収録してもノイズがほとんど乗りません。
デジタル化が進んでいく中でも唯一アナログなのがマイクプリアンプ。音の入り口ともあってここの性能が悪いとそのあとの音すべてに影響します。
Apollo Twinは2chで約10万円と高額ですが、その分マイクプリには十分にお金をかけてくれているみたいです。
さらにUnison機能を使うことで、他のマイクプリのシミュレートもできるというおまけ付きです。
収録環境
インターフェイス
オーディオインターフェイスは、もちろんApollo Twinを使います。
UNIVERSAL AUDIO ( ユニバーサルオーディオ ) / APOLLO TWIN MKII DUO
デスクトップタイプオーディオインターフェイスに、UAD-2プラグインがリアルタイムで動作するDSPシステムが合体したAPOLLO TWINの次世代モデル。サウンドハウスについては解説記事をご覧ください。今回はUnison、アンプシミュレーターなどは使用せず、あくまで素のマイクプリの音で収録しています。
ミックス時に使っているエフェクトについては、音サンプルの説明時に解説します。
場所
場所は我が家のリビングです。エアコンなどはできる限りオフにして、ノイズが入らないようにしています。ダイナミックマイクを使用して、そこまでノイズに気を使わないくていいようにしています。
マイク
マイクは1本だけ。我が家の主役Telefunken M80です。
ミッドが強いのでギターの場合は相性があるのですが、ウチのギターとは仲がいいので重宝しています。
今回はネックのジョイント付近をオンで収録しています。
DAW
使用しているDAWはDigital Performerです。
音がいいので、バージョン4のころから愛用しています。
DP10がリリースされたのをきっかけに使い方について記事を書いています。よろしかったらそちらもご覧ください。
Apolloのユーザーでしたら「LUNA」というDAWが無料で使えます。
UA社のオーディオインターフェイスに最適化された設計になっているということで、既にDAWを持っていても興味が湧く製品です。
モニター環境
Apollo Twinのヘッドホンアウトに、ゼンハイザーのHD650を直接差してモニターします。インピーダンスが250Ωと高いですが、出力が大きいのでちゃんとなってくれます。
SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / HD650
あらゆるジャンルとの親和性が高く、クラシックからロックまでオールマイティにこなす優れもの!フィット感も抜群!
サウンドハウスについては解説記事をご覧ください。
Apollo Twinのヘッドホンアウトの音質は、低域に若干クセがあるものの、十分にモニターできる音質だと個人的に思います。
収録した音
録った素のままの音がこちらになります。(腕には目を瞑ってください)
これだけでも十分使える音になっています。安いインターフェイスだと、素の音が思ったようなクオリティにならない→あれこれエフェクトを掛ける→最初のが一番良かった→だけどもうちょっと…。という無限ループになることがよくあります。
何もしなくても使える音になるマイクプリというのはとてもありがたいものです。
とはいえ、このままではちょっと野暮ったいし、弾いたときのムラも目立ちます。UADプラグインで解決していきましょう。
音作り
今回ギターに使用するのは次のプラグインです。
- DAW付属のEQ
- 1176LN Classic Limiting Amplifiers (リミッタ・コンプレッサー)
- RealVerb Pro(リバーブ)
EQ
イコライザーはハイパスフィルターを使いたかったのでDAW付属のEQを使っています。もこもこしがちな200Hzをカット。後はなんとなく5kHzあたりを抑え気味にしています。
コンプ
コンプレッサーは1176LN。いろんな楽器に使えるオールマイティなコンプレッサーとして有名です。
Attackは最速。Releaseは6くらい。GR(ゲインリダクション)は4〜5dBにしています。
リバーブ
リバーブはアンサンブルに混ぜることを見越してやや深めにかけるようにしています。
完成品
ギタートラック
最初と比べると低域が除去されて、高域が強調されています。弾いたときのムラも程よく除去できているのではないかと思います。
2トラック録って左右にパンを振ったり、ちょっとフレーズみたいなものを入れたのがこちら
トータルミックス
全てをミックスするとこんな感じになります。
マスタリングしていないので音圧が足りませんが、きれいにまとまってくれました。録音品質が良いと、あまり手を加えなくても音がまとまるのでありがたいです。
まとめ
結構変わったと感じていただけましたでしょうか?Apollo Twinの実力を少しでもお伝えできて入れば幸いです。
使えるマイクプリは、それ単体だと高価で大きくて取り回しも面倒ですが、Apollo Twinなら小型で宅録にもってこいです。
もう手に入らない or 高すぎて買えないアウトボードを、DSPパワーが許す限りどこにでも何台でも使うことができるのもUADプラグインを使うことができるApolloシリーズならではの魅力です。
さて次回はミックスの総仕上げを行なっていきます。
UNIVERSAL AUDIO ( ユニバーサルオーディオ ) / APOLLO TWIN MKII DUO
デスクトップタイプオーディオインターフェイスに、UAD-2プラグインがリアルタイムで動作するDSPシステムが合体したAPOLLO TWINの次世代モデル。サウンドハウスについては解説記事をご覧ください。記事一覧
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