Bose Companion20はどんな音?特性を測ってみました

今回測定するスピーカーはM2に続いてBose Companion20というスピーカーになります。こちらは所有していなかったのですが、友人からお借りして測定させていただいています。現行で販売されているモデルで、店頭でもよく見かける機種なので使われている方も多いのではないでしょうか?

以前Bose M2を測定しましたので、NS-10Mに加えて一部M2との比較も行なっていきます。

スピーカー測定:Bose M2(Computer MusicMonitor)
BoseのコンパクトなPCスピーカー、M2(Computer MusicMonitor)をオーディオアナライザーREWで測定します。Olasonicのスピーカーとの比較も行い、「Boseの音」とはなんなのかを考えていきます。

Bose Companion20について

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Companion 20はBoseのPC向けステレオスピーカーであるCompanionシリーズの一つです。この他に価格が安いCompanion 2や、サブウーファーが別に付いている3、5などがあります。

特徴

  • パソコンを飾る、おしゃれで省スペースなデザイン
  • 音楽、ゲーム、動画のサウンドをワイドに、ナチュラルに再現するTrueSpace®テクノロジー
  • ボリューム、ミュート、ヘッドホンジャック、外部入力用のコントロールポッド

(メーカーサイトより引用)

13インチMacBookProと並べてみた画像。縦に長いので大きく感じます。

右スピーカー背面。上の空洞はバスレフポート。下の端子は、右から順にLine Input、コントロールポッド接続端子、電源、左スピーカーへの接続端子になっています。

よくできていると感じたのがこのコントロールポッド。画像で示しているように必要な操作へ簡単にアクセスできるように工夫されています。また、前面にヘッドホンアウトとインプットを備えているため、例えば普段PCに繋いでおいて、たまにモバイル端末を接続したい時なんかに、わざわざスピーカー背面に手を伸ばさなくても良いようになっています。

特筆すべき点としてスピーカーユニットが下にある点があります。

狙いがあるのか重心のためか分かりませんが、これが原因であまりスピーカーを近づけすぎると耳の位置が高域の指向角度の外になってしまい、結果こもった音に聞こえてしまいます

気になる場合は対策として、スタンドや台を活用してスピーカー自体を目線の位置まで上げるなどすると良いかと思います。

音については後述しますが、このスピーカーはアンプ部分でかなりイコライジングを行なっていることが伺えます。

仕様

  • 入力端子 3.5mmステレオミニジャック×2
  • エンクロージャー:バスレフタイプ
  • ユニット:70mmフルレンジ×1
  • 電源:AC100~240V(50/60Hz)
  • サイズ:2190×890×1190mm
  • 重量:1.13kg(片側)

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特性

測定環境

  • 使用ソフト:REW (Room EQ Wizard)
  • オーディオインターフェイス:MOTU 896HD(校正データなし)
  • アンプ:スピーカー内蔵
  • マイク:Dayton Audio EMM-6、ソフト内校正データ適用済み
  • 測定方法:こちらの記事をご覧ください。
  • 対象スピーカーとマイクとの距離:20cm

周波数特性

  • 3kHz付近のディップと10kHzのピークから、かなりドンシャリな音作りであることが伺えます。人の声はやや引っ込んで、シンバルやベースが前に出てくる印象です。
  • 150Hz付近が落ち込む傾向はM2とよく似ていますが、こちらは-5dB以内に収まっているため、背面からの低域の音がかなり部屋にまわってひろがります。これがカタログで説明するところのライブ感(スタジオなどで)なのでしょう。
  • プロセッサで意図的にこうした特性にしていると考えられます。

比較データ(:NS-10M :M2 ピンク:Companion)

  • 三つのスピーカーの比較データです。こうしてみるとやはりイコライジングを大きくかけていると考えられます。

位相特性

  • 位相変化量はM2と比較しても非常に大きいです。
  • これはM2と比較をすると違いがわかりやすいです。

M2との比較データ(:M2 ピンク:Companion)

  • Companionのほうが折り返し地点が多いことがわかります。

応答特性

  • 収束まで600μ秒+バスレフの付帯音といったところでしょうか。特に目立った点はありません。

全高調波歪率

  • 3kHzから上と100Hz付近で急激にひずみが大きくなっています。特性を伸ばすためにプロセッサでこの部分をブーストしていると考えられます。

群遅延特性

比較データ(:NS-10M ピンク:Companion)

  • NS-10Mと比較すると位相変化量が大きいです。

低域が気になる場合

Companion 20はドンシャリ傾向の音のためか、やや150Hz付近の低域が大きく聞こえて気になることがありました。

そんな時は背面のバスレフポートにティッシュを詰めると効果的です。これはバスレフの共鳴効果が作用しなくなるためで、詰める加減で減衰量を調整できるのでその辺りはお好みでどうぞ。気になる方は試してみてください。

まとめ

  • サウンドはドンシャリ傾向
  • 低域はかなり広がる
  • 音質変化は大きめ
  • サウンドポットは結構便利
  • ユニットが筐体の下にある点は注意

M2と比べると大きいですがスピーカーとしては小型の部類です。しかし出てくる低域はサイズからは考えられない量です。音質に特徴があるので好みが分かれるスピーカーだと思います。部屋では低音がかなり広がって印象が変わるので、可能であれば店頭ではなく部屋の環境に近い状態でのチェックをしてから購入することをおすすめします。